シーマスター クロノグラフ ビッグブルー 176.004
176.004
1969年の自動巻クロノグラフの開発競争に乗り遅れた感のあったオメガは1972年、キャリバー1040によって3年遅れで他社に追い付くかたちとなりましたが、これと同時に単なる「後発」の枠に収まりようのない、強力なクロノグラフを発売します。
それがこの直径44ミリ、厚さ19ミリという巨大なクロノグラフ、ビッグブルーであったのです。
そのケースは、IWC,ロンジン、ルクルトをはじめとする実力派メーカー達がこぞって使用したコンプレッサーケースで有名なEPSA社の製造によるものであり、ナイヤードリューズの原理を応用したプッシュボタンとねじ込み式リューズの採用によって120m防水を確保。
この非日常的なサイズのクロノグラフは「世界初」の自動巻ダイバーズクロノグラフとして、オメガの実力を改めて知らしめるものとなったのです。
キャリバー1040の大きな特徴であったセンターに配置されたクロノグラフの分積算計には、一際鮮やかなオレンジフレーム夜光針が採用されており、回転ベゼルによる経過時間の掌握と共に、クロノグラフによる経過時間の確認をも可能としたのです。
この極めて高い機能性を誇るビッグブルーは、発売当初の価格が715スイスフランとかなり高価なものであったこと、そして日常使用に向くとは言い難いサイズと重量感によって、その需要はプロフェッショナルにほぼ限られたことから生産数が伸びることはなく、今となっては貴重なコレクターズアイテムとなっています。